柔軟性とガスバリア性を兼ね備えた熱可塑性ポリマー 新規アセチル系ポリマー(開発品)
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製品の特徴
ガスバリア性、柔軟性
ソアノール™(EVOH樹脂:エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂)はプラスチックでは優れたガスバリア性を有し、賞味期限延長を目的とした食品包装材、ガソリンタンクなどに広く採用されています。ソアノール™は融点が高く、結晶性を持ち、「硬い」と言う特徴も有しています。 この度新規開発した「新規アセチルポリマー」はそのEVOH樹脂の持つガスバリア性とソアノール™とは逆のエラストマーレベルの「柔軟性」を兼ね備えた熱可塑性ポリマーです。 ソアノール™同様、溶融押出による成形が可能で、共押出によるバリア層の形成だけでなく、これまで難しかったポリマーブレンドによる他樹脂への性能付与も可能です。
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ポリマーブレンドによる材料改質
他のポリマーとブレンドすることで、ベースポリマーへの改質効果が期待できます。 例えばPA6中にブレンドさせることで、ガスバリア性を損なうことなく柔軟性を付与できます(図1)。 またABSにブレンドすることで、ポリマーの持つ耐薬品性をABS成形品に付与することが可能です(図2)。 このように様々なポリマーへの応用も期待できます。 想定用途例)有機液体・気体の輸送パイプやチューブ 製品の柔軟性を維持・向上させ、さらにバリア性や耐薬品性の付与が期待できます。
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粘弾性、制振性
常温付近の温度領域で粘弾性(tanδ)のピークを示します。 この性質の応用例として、室温における制振性能発現の評価を行いました。 CFRPボードに新規アセチル系ポリマーのフィルムを張り合わせることで、CFRPボード単体と比較しハンマリング時の振動が速やかに減衰することが確認されたことから、制振材料としての利用が期待されます。 想定用途例)エンジンカバー フードインシュレーター 振動を伴う場所へ使用する樹脂部材へ制振性能付与が期待できます。
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